富士山は昔から何度となく噴火を繰り返してきました。その記録は古文書に残されています。歴史的に有名な噴火は、次の4回発生しています。
1.800~802年の噴火(延暦噴火)
2.864年の噴火 (貞観噴火)
3.1435年の噴火
4.1707年の噴火 (宝永噴火)
1.延暦噴火
800~802年頃に起きたと思われ、西小富士を形成し大噴火だった。火山灰で東海道の一部が遮断され、これを回避してできたのが箱根路だったようです。朝廷では、富士山に神位を捧げて事態の鎮静化を図りました。
2.貞観噴火
貞観噴火は864年に発生しました。富士山の北西の山麓で、6kmにもわたる巨大な割れ目ができて、そこから大量の溶岩が流れ出ました。溶岩は何年も噴火して多数の溶岩洞を造り、その上に原生林が茂ったことにより現在の青木ヶ原樹海が誕生しました。
10年以上噴出し続けた溶岩流は、多くの溶岩洞を形成し、その後1000年近くかけて生い茂った原生林が「青木ヶ原樹海」となりました。
3.1435年の噴火
1435年の噴火は、山梨の普賢寺の僧侶が書き記した「王代記」の中に、「富士山に火の手が上がっている」とあります。これは、2年前の地震の影響で発生した噴火であると考えられます。
4.宝永噴火
宝永噴火は、1707年に起きました。噴火した火山灰は、偏西風に乗って富士山の東側に広がって横浜で10cm、江戸で5cmの厚さまで灰が降り積もりました。
時の5代将軍徳川綱吉は、火山灰によって用水路や河川の氾濫などで、農林業などに大きな被害を与えたため、幕府自らが復興事業を行いました。
宝永噴火の49日前に関東から九州にかけて、大きな地震(宝永地震)が発生しており、この地震が噴火の引き金になったという見方もあります。
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